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起業家コラム

あなたは起業しないんですか?

時々、話の折に聞いてみることがあるんです。
「起業しないんですか?」
たいていの場合、「しない」という返答しか返ってきません。
よく考えると、起業することって人生の中で一度は考えたことあると思うんです。

でも、する人はごく一部。

なぜでしょう?

「リスクが大きいから……。」「アイディアが浮かばない……。」なんていう言葉をよく耳にします。
本当にそうでしょうか?

それではまず、リスクについて考えてみましょう。

 

起業ってリスク高い?

起業は本当にリスクが高いのでしょうか?
かのP.F.ドラッカーはこう言います。

『一般には、企業家精神には大きなリスクが伴うと信じられている。(中略)
しかし多少なりとも成功すれば、その成功はいかなるリスクをも相殺してあまりあるほど大きい。したがって企業家精神は、単なる最適化よりもはるかにリスクが小さいというべきである。
イノベーションが必然であって、大きな利益が必然である分野、すなわちイノベーションの機会が既に存在する分野において、資源の最適化にとどまることほどリスクの大きなことはない。論理的にいって、企業家精神こそ最もリスクが少ない。』

 

難しいですね。パッと見ても、なにを言っているのかよくわかりません。
でもどうでしょう?よく見ると起業はリスクが少ないと言っていますね。これはどういうことでしょうか?
簡単に言うと社会そのものが変化し続ける中で、その流れを追わず、同じことを繰り返しているだけでは、社会に取り残されてしまい、そのことのリスクが大きいのではないか?
逆に、企業というのは、社会の需要に対し成果を生み出すことを存在意義としていることから、その流れについていかざるを得ない、つまり社会に取り残されることはない。
こういうことが言いたいのだと思います。

 

また、企業家精神にリスクが伴うのは、企業家とされている人たちの多くが、方法論を持っていないからだといいます。
確かに、現在さまざまなビジネスモデルが存在し、それをきちんと学び、それに沿っていけばある程度の成功は確実に見込めると思います。
つまり、企業家よりも企業家でないことのほうがリスクは高いのです。

 

起業にアイディアは必要か?

では、リスク面に関してはいったん解決としておきましょう。
そうすると今度は「そんなことを言っても、起業するにあたってアイディアがないよ……。」そんな声が聞こえてくる気がします。
変な言い方をすると、実際その通りだと思います。

それでは、またドラッカーの言葉を借りてみましょう。

『企業家として成功する者は、女神の口づけやアイディアのひらめきを待ってはいない。彼らは仕事をする。大穴は狙わない。大金持ち間違いなしというアイディアをもとに事業を起こす企業家、特に急ぎすぎる企業家は、失敗を運命付けられている。』

 

『アイディアによるイノベーションは、ほかのあらゆる種類のイノベーションを全部合わせたよりも多い。10の特許のうち七つか八つはこの種のものである。

 

この種のイノベーションによる特許のうち、開発費や特許関連費に見合うだけ稼いでいるものは100に一つもない。使った費用を上回る金を稼ぐものは500に一つである。

 

「イノベーションに成功する者は発明し続ける。何でも試す。そのうちに成功する」という。しかし続けていればやがて成功するという考えは、ラスベガスのスロットマシーンで儲けるには、レバーを引き続ければ良いというのに似ている。

企業家たる者は、いかに諸々の成功物語に心惹かれようとも、単なるアイディアによるイノベーションに手を付けるべきではない。』

 

どうでしょう?ドラッカー曰く、成功する企業家にアイディアのひらめきはいらない、さらに運すらいらないと言い放っていますね。
また、アイディアによるイノベーション、つまり新しい価値の創造は大変難しいと言っていますね。
むしろ、それをするべきではない、とまで言っています。

実際、私自身、数々の企業家の方々と接する機会はたくさんありましたが、オリジナルなもので勝負している人なんてごくわずかですし、その人が必ずしも成功しているか?と言われればそんなことはない、というのが正直なところです。

 

「起業しないんですか?」

では、冒頭に立ち戻ってみます。
「起業しないんですか?」
この質問に対する「しない理由」がなくなっている気がしませんか?
「しない理由」が無くなった以上、あとは経営を学び、少しのお金と企業家精神さえあれば誰でも起業し成功することは可能だと思います。

最後に、今一度聞いてみます。

「起業しないんですか?」

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