column

起業家コラム

おさえておきたい確定申告の基礎知識「事業所得と給与所得」

所得の区分のあらまし

所得税法ではその性格によって所得を次の10種類に区分しています。
1 利子所得  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1310.htm
2 配当所得  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1330.htm
3 不動産所得 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1370.htm
4 事業所得  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1350.htm
5 給与所得  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1400.htm
6 退職所得  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1420.htm
7 山林所得  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1480.htm
8 譲渡所得
9 一時所得  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1490.htm
10 雑所得  https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1500.htm
以前は、この中から「事業所得」と「雑所得」の区分等についてお話させいただきましたが、今回は「給与所得」と「事業所得」の区分等についてお話させていただきます。

「事業所得」と「給与所得」の税務上の取り扱いの比較

  項     目 事業所得 給与所得
1 所得の計算方法 売上収入‐経費 給与収入‐給与所得控除
2 消費税の課税区分 課税取引の対象 不課税取引
3 源泉徴収義務(支払者) 一定の報酬以外は義務なし 義務あり
4 青色申告の適用 ×

「事業所得」と「給与所得」の意義

国税庁のHPでは、それぞれの所得の意義を以下のとおり記載しています
・事業所得
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります
・雑所得
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得です。

「事業所得」と「給与所得」の区分判断

1 事業所得
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、その他の事業から生ずる所得です。
これだけでは判断しづらいのですが、次のような要件を満たしているものが事業とされています。
・自己責任で行われていること
・営利性があること
・反復継続していること
・以上について客観的に認められること
2 給与所得
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得です。
こちらも、これだけでは判断しづらいのですが、次のような要件を満たしているものが給与とされています。
・雇用契約が存在すること
・使用者の指揮命令に服すること
・使用者から空間的および時間的な拘束を受けること
・職務上の費用が使用者の負担となること
3判断基準
実務においては、下記の基本通達を判断基準とすることが多いようです。
(個人事業者と給与所得者の区分) 消費税基本通達1-1-1
事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。したがって、出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払の給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。
(1) その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか
(2) 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか
(3) まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係  る報酬の請求をなすことができるかどうか
(4) 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか

「事業所得」と「給与所得」の区別については、かなりのグレーゾーンが存在するのが実情です。
だからといって、安易に「事業所得」又は「給与所得」として申告しても、税務署の判断で指摘を受け修正申告をすることになります。
特に消費税においては大きな修正となる可能性があります。

上記のような場合には、、税務署からの問い合わせにも、きちんと説明できるように準備しておくことがポイントとなります。申告の前に、税務署や税理士等の専門家に状況を説明し、どのような所得で申告するのがよいかを確認するようにしましょう。

Copyright © 2017 市ヶ谷のコワーキングスペース|WAVE市ヶ谷 All Rights Reserved.