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起業家コラム

起業家が押さえておきたい 経営に必ず役立つ会計知識

財務指標の重要性

 

財務指標の重要性をあえて言うことは不要かもしれません。
しかし、中小企業庁が発表しているデータでは、基礎的な財務指標を算出して確認している企業は50%程度と言われており、軽視している方々も多いということは間違いありません。

 

これは㈱東京商工リサーチの2015年(平成27年)による全国企業倒産のグラフとなります。
2009年を境に減少傾向にあるとは言っても、8,812件もの企業が倒産しているのが分かります。
財務指標を気にしないということは、より業績悪化を加速する可能性が大きいということ。
忙しくて財務指標を気にしていられないという事情もあるでしょうが、企業として最悪の結果である倒産の前には、必ずと言って良いほど財務に明確な悪化の兆しが現れているのです。

 

そのため、この資本主義社会を生き抜いていく為、経営者は常に財務状況の把握をしていかなければなりません。
ただ、財務分析に使われる財務指標はたくさんある為、今回はいくつかの指標についてみていきたいと思います。

 

財務分析5つの観点

では、実際にどのような点を分析していくのでしょうか。
 
財務分とは5つの観点からみていくことができます。

「収益性分析」
企業がどれだけ利益を上げられているか。
収益分析はさらに、売上高に対する収益をみる取引収益性と、資本に対する収益性をみる資本収益性の二つに分けられます。

「安全性分析」
銀行からの借り入れに対する返済能力といった、企業の支払い能力をみるものです。
安全性分析は、賃借対照表を用いる※注1ストック分析と、キャッシュフロー計算書を用いる※注2フロー分析に分けられます。

「活動性分析」
会社の経営が活発化どうかをみる指標。
資本を効率的に使い、多くの売上をあげているほど活発性が高いといえます。資産が多すぎる場合は活動性が低いということになり、資産の無駄についてもチェックできます。

「生産性分析」
会社が従業員や設備などを効率よく活用しているかどうか、それがどれほどの売上や付加価値の創出につながっているかをみるものです。

「成長性分析」
これまで会社がどのように成長してきたか、また今後の成長の可能性はどうかをみるものです。

※注1
ストック分析
ある時点における収支を確認するもの。会社の財務分析においては、事業年度末の会社の資金状態を確認できる貸借対照表を用い、資産と借金、資産と株主資本の関係をチェックします。

※注2
フロー分析
ある期間のキャッシュフロー(資金の流れ)を確認するもの。会社の財務分析では、ひとつの事業期間でのキャッシュフローを確認できるキャッシュフロー計算書を用い、「営業」「投資」「財務」の3つの視点で分析します。

 
上記の観点から、経営について様々な角度から分析をしていくのです。
では、今回は実際に収益性分析(取引収益性)に関する指標の計算方法についてみていきましょう。

 
売上高総利益
粗利率(荒利率)とも呼ばれ、売上高に対する売上総利益の比率を表す指標。
企業の大まかな利益率を把握するための基本的な指標であるといえる。

 

営業利益
売上高に対する営業利益の比率を表す指標。営業(販売・管理)活動の効率性を判断するもので、比率が高いほど良いとされている。

 

経常利益率
経常利益率を求めるために用いる計上利益は、営業利益に経常損益を足し引きすることで算出します。
経常利益は営業活動と財務活動の両方の収益を示すものであるため、経常利益率は企業の業績を表す非常に重要な指標であるといえる。

 

当期純利益率
売上高に対する当期純利益の比率。

 

販売比率
売上高に対する販売費(販売費、一般管理費)の比率を示すもの。
販売費は売上に比例して生じる「変動費」と売上に関係しない「固定費」に大別されますが、販売管理費率はこれらがどの程度の割合であるかを把握できる。
この比率が低いほど高率的な経営を行っているといえる。

 

全ての指標を確認できれば一番良いことではありますが、それは現実的ではありません。
まずは、自身の会社を経営していく上で、一体どういった指標を重点的にみていくのか?その上でどういった経営をしていくかを決めていくと良いでしょう。

また、㈱TKCによる中小企業向けに作成された全国各地の黒字企業を業種別にまとめた指標表が公開されております。
自社の業種と照らしあせて、これからの財務状況をより良いものにしていってください。

また、健全で成長性の高い経営を実現するためには、数値化された指標をただ確認するのではなく、そこから浮かび上がった問題点や改善すべき点をしっかり認識し、対処することが重要です。
「自力では難しい」という場合も勿論あるでしょう。
そういう場合は、税理士などのプロに任せる選択肢もあります。
不正確な財務分析による間違った意思決定だけは避けたいところ、是非ご検討してみてはいかがでしょうか。

 

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