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起業家コラム

交際費はどこまで経費にできるのか? 

〇「交際費」とは

法人や個人事業主の方において経費として計上することが認められている「交際費」とはいったいどのようなものなのでしょうか。

なんとなく接待飲食に使うお金…や、接待のゴルフプレーにかかるお金…など少しふわふわしたイメージがあるのではないでしょうか。

このふわふわしたイメージの「交際費」ですが、法人であれば法人税法、個人事業主であれば所得税法で実はきちんと条文で定められているのです。

〇法人における「交際費」

 

冒頭で法人や個人事業主の方において経費として計上することが認められる~と書きましたが、定められている税法の違いから多少の違いがあります。

概ね法人における交際費のイメージは以下の図の通りです。

また、法人税法の条文を見てみると、

『交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。
 ただし、次に掲げる費用は交際費等から除かれます。(除外例省略)』

と規定されています。

少しわかりやすく説明すると、

①事業に関係する人に対して
②接待などのために支出する費用
となります。また、最近においては判例によって
③取引関係を円滑に進めるため

という要件が追加され、税務上、上記①~③の3要件が交際費として経費計上が認められるための要件とされています。

具体的に当てはめてみると

①事業に関係する人に対して(取引先の社長と)
②接待などのために支出する費用(ゴルフプレー費用)
③取引関係を円滑に進めるため(今後もよろしくお願いしますという目的)

であれば「交際費」に該当することとなります。

このように当てはめることによって、交際費かどうか判別できます。

ですが、適用除外もあります。例を挙げると、社外の人と行った1人当たり5,000円以下の飲食費(会議費などの別の科目で費用処理)や、従業員全体で行われるレクリエーション費用(福利厚生費)など交際費とならないものもあります。

そしてこの「交際費」、法人において無制限に経費として認められるか?と言えば実はNOで限度額が決まっています。

また、その限度額は法人の資本金の額によって違いがあります。具体的にみると、

●中小企業(資本金1億円以下の法人)の場合
 ①交際費の金額のうち800万円
 ②接待飲食費(交際費のうち飲食についての費用(一部除外あり))の50%相当額
 のいずれか多い金額が交際費として経費計上できる限度額となります。
●大企業(資本金1億円超の法人)
 接待飲食費の50%相当額

となっています。

〇個人事業主における交際費

では、個人事業主における交際費はどうでしょう。

実はこの交際費、冒頭において条文で定められている~と述べましたが、所得税法において、直接規定されている条文はありません。これがまず法人と個人事業主との大きな違いです。

直接規定されている条文はありませんので、所得税法37条1項の

『所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。』

この部分を適用し、つまり売上に関係する費用として費用計上してOKという建付けになっています。

また、規定されている条文がない以上、法人ではあった800万円の限度額や飲食費の50%を経費計上という概念はありません。ですが、なんでも無制限に認められるわけではなく、個人事業主の場合、『これは本当に事業に関連があるのか?』『これは個人的な支出ではないのか?』という部分を税務署は見てきます。

〇共通して言えること

交際費について法人と個人事業主の双方の考え方を述べてきましたが、共通して言えることが一つあります。それは、『誰と行ったか?』という部分がどちらについても非常に重要な項目ですので、交際費の領収書の裏に誰と行ったか名前などをメモしておくと税務調査の際に非常に役立ちます。

このように一口に『交際費』と言っても、ここにまだまだ書ききれないほど、様々なケースごとに交際費として該当するか否か、また、飲食費との区別など非常にややこしいものになります。

法人の場合、具体的に飲食費について国税庁のホームページにおいて交際費等の

FAQ(https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/settai_faq/01.htm)として公表されていたりしますので一読してみてはいかがでしょうか。

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