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起業家コラム

Googleとyahooで違う?消費税「リバースチャージ方式」とは

消費税法の平成27年度4月改正で行われた、平成27年10月1日以後の課税資産の譲渡等(売上)及び課税仕入れ(仕入)について適用された「リバースチャージ方式」という消費税の課税方式を御存じでしょうか?
消費税法の大きな改正だったので、名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
それでは具体的な内容を見ていきましょう。

「リバースチャージ方式」の制度導入背景

海外の事業者が行うリスティング広告など、インターネット等を介して行われるサービス(以下、国境を越えて行われる電気通信利用役務の提供という)について、従来は国外取引として不課税(消費税がかからない)という取扱いでした。
しかし、国内で全く同じ事業を行った場合は、課税取引として消費税が課税されていました。
例として挙げてみますと、とある日本国内の企業がGoogle Adwordsによりネット広告を10,000円分出したとします。
その場合Google社から請求される金額は当たり前ですが10,000円です。
しかし、その日本国内の企業が同じサービスを国内事業者に頼んだ場合、その10,000円に消費税を乗せた金額(10,800円)を請求されます。
これにより当然、広告を出す企業側としては同じ内容であれば、消費税の800円分安く済むGoogle社(国外事業者)を選択するという結果となります。
このように、同じサービスを同じ価格で行ったとしても、国内か国外かというだけで価格に差が生まれ、国内事業者が不利という状況でした。
そこで、この不公平な状況を打開しようということで導入されたのがリバースチャージ方式です。

「リバースチャージ方式」の概要

それではどのような方法で、消費税の格差をなくすことになったのでしょうか。
まず、そもそも消費税とは通常であれば申告及び納付するのは、課税資産を譲渡した側(売り上げた側)がするものですが、このリバースチャージ方式においては、その逆で消費する側(仕入れ側)が申告及び納付することとなります。
英語でみると
reverse-charge(英訳:料金受信人払いの)
ということです。
前述のGoogleAdwordsの例に当てはめてみると、Google社から請求される金額は前と変わらず1万円ですが、そのほかに800円を国等へ消費税として納付することとなり総額でみれば10,800円となり、結果国内事業者からサービスを受けた場合と変わらないことになります。
イメージとしては、源泉所得税なんかが近いですね。
もちろん、今度は申告納付の手間が増えますが、少なくとも金額的な不公平は是正されたと言えます。

具体的要件

国境を越えて行われる電気通信利用役務の提供にリバースチャージ方式が適用される、と説明しましたが、もう少し具体的な要件を見ていきましょう。

(国税庁HPより抜粋)
説明文を読むと
『国外事業者が行う「事業者向け電気通信利用役務の提供」 について、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税 義務を課す方式(対象取引例:広告の配信) ※ 「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、役務の 性質又は当該役務の提供に係る取引条件などから、当該 役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの』
とあります。
つまり、これはリバースチャージ方式が適用されるのは事業者間の取引(BtoB)かつ、国境を越えて行われるデジタルコンテンツの配信等に限定される、ということです。
消費者に対する(BtoC)国境を越えて行われる電気通信利用役務の提供については、国外事業者自ら日本の税務署に対し申告納税を行います。
これは、消費者ひとりひとりに消費税の申告納税の手間を負担させるのは無理があるのでまとめて国外事業者が申告納付してね、ということでしょう。

また、電気通信利用役務の提供とは
・インターネット等を通じて行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウエア(ゲーム などの様々なアプリケーションを含みます。)の配信
・顧客に、クラウド上のソフトウエアやデータベースを利用させるサービス
・顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス
・インターネット等を通じた広告の配信・掲載
・インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス(商品の掲 載料金等)
・インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス
・インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト(宿泊施設、飲食店等を経営する事業 者から掲載料等を徴するもの)
・インターネットを介して行う英会話教室
と国税庁HPに例示されています。

まとめ

以上が、消費税「リバースチャージ方式」の概要説明となります。
ただし、
『一般課税で申告を行う事業者においては、当該課税期間における課税売上割合が95%以上である事業者、当該課税期間について簡易課税制度が適用される事業者については、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされます。
 したがって、これら事業者は、特定課税仕入れを行ったとしても、その課税期間の消費税の確定申告については、特定課税仕入れについて申告等に含める必要はありません。』
という経過措置がとられ、大部分の事業者についてはリバースチャージ方式を意識する必要はあまりありませんが、あくまで経過措置ですので、ゆくゆくはすべての事業者について適用されると考えられます。
そこで、今のうちから理解を深めておいたほうが良いのではないでしょうか。

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