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起業家コラム

起業の2つのかたち 個人事業or会社設立 会社設立のメリットをまとめてみた

個人事業者の方は、法人成りについて一度は考えたことがあるのではないでしょうか。また、これから起業する方も、個人事業主になるか、法人設立するかで悩まれているのではないでしょうか。

そこで今回は個人事業主の方が法人成り(株式会社の設立)を検討する場合の、法人成りによる節税のポイントをご紹介したいと思います。

役員報酬の計上

個人事業主が法人成りして会社の代表者になった場合、その代表者は会社から役員報酬をもらうことになります。その役員報酬に対する税金の計算をする際には、給与所得者の必要経費分として、「給与所得控除額」を差し引くことができます。
つまり、法人成りして会社から役員報酬を支給するようにすれば、事業のために支出した経費に加えて給与所得控除も差し引くことができるのです。
また、会社が役員に払う報酬は、会社側では、経費となり、会社の税金を減らします。
一方、社長個人側では、給与として所得税課税がされます。
   

 上記は売上が1,000万円、経費が400万円の個人事業主が法人成りをした場合の比較です。(比較のために法人の役員報酬を600万円としています) このケースでは法人成りすることで、課税対象である所得金額が個人事業主の時よりも少なくなります。

所得税と住民税を加えた個人事業主の最高税率は55%ですが、法人の場合には実効税率でも約35%ですので、利益がたくさん出るのであれば税率だけをみても法人の方が有利です。実際には個人と法人で適用される税率が異なるため、最終的な税負担がどうなるのかを検討することをお勧めします。

退職金の支給

会社の場合、5年以上勤続した役員に対する退職金は、税務上のメリットを受けることができます。
退職金の所得税の計算方法は、(退職金額-退職所得控除)×1/2の金額に対し分離課税をするので、税額は給与所得と比べて格段に少なくなります。さらに死亡時の退職金は、相続税の非課税枠がありますので、相続税法上も有利です。
 個人事業の場合は、事業主本人に退職金を支払う概念がないため、必要経費に計上することはできません。

保険の活用

保険の種類と契約内容によりますが、会社が契約者及び支払者となっている生命保険については、その支払額の全額を経費計上できたり、半額を経費計上できたりするものがあります。
これに対して、個人事業の場合には、生命保険料控除として所得控除できるのは、一般の生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を合わせても12万円が上限とされています。

減価償却の計上

個人事業の場合には、減価償却は強制ですが、法人の場合には、任意償却です。
ですから、利益がでなかった年は、減価償却を実施せずに繰延べることができます。

欠損金の繰越控除

青色申告をしている法人は、欠損金を9年間繰り越すことができます。
つまり、会社(青色申告法人)であれば、たとえ赤字になってしまったとしても、その赤字を翌年以降9年間のうちに発生した黒字と相殺できるため、大きな節税効果を期待できるのです。
これに対して、青色申告をしている個人事業者の場合、純損失の繰越しは3年間しかできません。

消費税の免税

 新会社を設立した場合には、設立時(期首)の資本金が1,000万円未満なら、設立2期目までは、消費税は免除されます。 ただし、最初の6ヶ月で売上及び給与等の支払額が1,000万円を超えてしまうと、翌期に課税されてしまいます。
 したがって、資本金1,000万円未満の会社を設立した場合は、事業規模が急速に大きくならない限り、すくなくとも設立2期目までは、消費税は課税されません。課税売上高が1,000万円を超えた事業年度の2年後の事業年度にはじめて消費税がかかります。
ですから、個人事業者が、課税売上が1,000万円を超えてしまったら、その年から2年を経過する前に、資本金1,000円未満の会社を設立し「法人成り」させれば、さらに法人成り後の2年間も、消費税の免税メリットを享受できます。

 その他にもメリットはありますが、法人は赤字でも均等割税額の最低7万円は納付しなければならないというデメリットもあります。
個人事業と法人設立の違いを知り、将来の売上が伸びる可能性があればタイミングをみて会社設立の準備を始めてもよいのではないでしょうか。

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