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起業家コラム

消費税がかかる取引とかからない取引のまとめ

○課税、非課税、課税対象外(不課税)、免税

消費税の課税事業者となった場合、すべての取引につき、消費税の税区分を判定する必要があります。

消費税が課されるものと課されないものの違いは何となく分かっても、非課税と不課税の区別となるとなかなか難しいのではないでしょうか。

消費税の税区分については、以下の順序で判定していくこととなります。

(1)課税の対象となるか、対象外となるか
(2)課税の対象となるもののうち、課税取引となるか、非課税取引となるか
(3)課税取引となるもののうち、8%課税取引となるか、輸出免税取引となるか

それではこの判定について一つずつ見ていきたいと思います。

(1)課税の対象となるか?

取引があった場合、まずはその取引が課税の対象となるかどうかの判定を行います。

課税の対象の判定は、

①国内において行うもの
②事業者が事業として行うもの
③対価を得て行うもの
④資産の譲渡・貸付・役務の提供であること

の4つの要件をすべて満たした場合のみ課税の対象となり、1つでも満たさない場合は課税の対象とならず、課税対象外(不課税)となります。

① 国内において行うもの

 消費税の課税の対象となるものは国内取引に限定されます。国外で行われた取引は課税対象外(不課税)となり、そこで判定は終了となります。

取引が国内取引となるかどうかは、原則として、次の場所が国内にあるかどうかにより判定します。

・資産の譲渡・貸付け … 譲渡・貸付けが行われる時においてその資産が所在していた場所
・役務の提供 … 役務の提供が行われた場所

少し考え方が難しいですが、国際郵便や国際電話などは、国内から国外、又は、国外から国内の取引であり、これは国内取引と考えます。ただし、最終的には輸出免税となるため、消費税額は0円となります。

②事業者が事業として行うもの

 
・法人の場合
 法人が行う取引は全て事業者が行うものとなりますが、事業として行うものかどうかは判定が必要となります。

 例えば、会社の現金やカードを使って社長個人の買い物をした場合、これは社長個人が支払うものを会社が立替えて支払ったと考えますので立替金として処理し、事業として行ったものではないため、会社が立替払いをした時も、会社が社長から立替分をもらった時も課税対象外(不課税)となります。

・個人の場合
 個人事業者が行う取引も、それぞれの取引について事業として行うものかを判断する必要があります。

③対価を得て行うもの

 対価を得て行うものとは、④の資産の譲渡・貸付・役務の提供に対して反対給付を受取ることをいいます。
 反対給付を受けるとは、商品を販売して代金を受取る、事務所を貸し付けて家賃を受取る、工事を請け負って代金を受取る、などのことをいいます。

 また、交換、代物弁済、現物出資などのように金銭の支払を伴わない資産の引渡しでも、何らかの反対給付があるものは、対価を得て行われる取引に該当します。

 対価を得て行うものに該当しないものとして、見本品や試供品を無償で提供した場合などがあげられます。商品を販売する際にサービス品を付けたりすることも対価を得て行う取引とはなりません。

 なお、個人事業者が自分が販売する商品などを家庭で使用したり消費した場合や、法人が自社製品などをその法人の役員に贈与した場合には、対価を得て行われたものとみなされ、消費税の課税の対象となりますので注意が必要となります。

④資産の譲渡・貸付・役務の提供であること

 資産の譲渡とは、商品や製品の販売のほか、事業用設備を売却することも資産の譲渡に当たり、これらの有形資産のほか、特許権や商標権などの無体財産権の譲渡も資産の譲渡に含まれます。

 資産の貸付けとは、事務所の賃貸借や自動車のレンタルなど有形資産の貸付けのほか、特許権やノウハウなど無形資産の貸付けも該当します。

 役務の提供とは、飲食や情報の提供、出演などのサービス提供、医師、弁護士、税理士などによるその専門知識の提供などが該当します。

(2)課税の対象となるもののうち、課税取引となるか、非課税取引となるか

上記(1)にて、「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」は課税の対象となることを確認しましたが、課税対象になじまないものや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引があり、これが非課税取引となります。
 また、課税の対象となるもののうち、非課税取引以外のものが課税取引となります。

主な非課税取引には以下のものがあります。

課税対象になじまないもの
① 土地の譲渡・貸付
② 有価証券等の譲渡
③ 預貯金の利子、保険料を対価とする役務の提供
④ 印紙、証紙、商品券プリペイドカードなどの譲渡
⑤ 行政手数料・外国為替業務に係る役務の提供

社会政策的配慮
⑥ 社会保険医療による医療などの役務の提供
⑦ 介護保険サービス・社会福祉事業等による役務の提供
⑧ 心身障害者用物品の譲渡
⑨ 助産に係るサービス提供
⑩ 火葬料・埋葬料を対価とする役務の提供
⑪ 学校教育法に規定する授業料・入学金等
⑫ 教科用図書の譲渡
⑬ 契約において居住用とされる住宅の貸付け

課税になじまないものとは?
消費税は、消費(食べる、使う、サービス提供を受けるなど)に対して課税する税金ですが、例えば土地はそこにあり続けることが前提となっているため、土地は消費するものではないという考えから、消費税を課すことは適当ではない、と考えられます。

駐車場などは土地の貸付けではなく、駐車場という施設の貸付けとなりますので、課税取引となります。
ただし、駐車場でも地面の整備や区画、フェンスなどがないいわゆる青空駐車場であるものは非課税となったり、土地の貸付けであっても、貸付け期間が1か月未満であるものは課税取引となっりしますので、注意が必要となります。

(3)課税取引となるもののうち、8%課税取引となるか、輸出免税取引となるか

 課税取引となったもののうち、国内において商品を販売した場合などは現行8%の消費税が課税されますが、その販売が輸出取引に該当する場合には、輸出免税取引となり、消費税が免除されます。これは、内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づくものになります。
 輸出取引とは、商品の輸出や国際輸送、国際郵便、国際電話などが該当します。

終わりに…

 消費税の税区分は以上の様に判定していくこととなりますが、判定が非常に難しい取引もありますので、その都度、何取引に該当するのか確認するようにしましょう。

 また、消費税の税区分のうち、非課税取引、不課税取引、免税取引はすべて消費税がかからないものとなりますが、消費税申告書にて消費税額を計算するときに、これらの区分が間違っていると計算結果が異なってしまうケースが出てきますので、注意が必要となります。

 

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